2012年08月31日

大阪 川端康成の「反橋」(住吉大社)

全国の2000社以上の住吉神社の総本宮にあたるのが住吉大社です。
海の神を祭る神社で1800年前(西暦211年)に神功皇后により創建され、平城京・平安京から遣隋使・遣唐使らの使節が渡航する前には航海の無事を祈願していました。(参考 住吉大社HP)

南海本線住吉大社駅を下車し左(東方向)に進み大きな鳥居をくぐると正面に朱塗りの太鼓橋が現れます。正式名称は「反橋」(そりはし)。川端康成の短編小説「反橋」に描かれるこの橋は単なる風景としての構造物ではなく、孤独=孤児という肉親に縁の薄かった作家の持つ原意識が橋上で現実と幻が交錯する場として表現されています。橋の上で疑ってもいなかった母が実は母の妹、母はすでに死んでいた。小説の冒頭の一行は「あなたはどこにおいでなのでしょうか」。川端の自殺さえこの橋にヒントが隠されているように思えてきます。
この橋を降りた先を右にいった池の畔に「反橋」の文学碑が設置されてます。その手前に西鶴の石碑も。
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欄干の脇に立つと空しか見えない急傾斜 川端が描写した足をかける穴はすでに無く階段に その穴が幻のように現れてきてしまいます 短編なので是非読んでから・・・
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「反橋は上がるよりおりる方がこわいものです。私は母に抱かれておりました。」 右写真が文学碑にも刻まれる一節の「降りる側」です
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                      南側からの反橋

住吉大社http://www.sumiyoshitaisha.net/
大阪市住吉区住吉2-9-89
大阪難波からは南海本線利用が早く、住吉大社駅下車徒歩3分ほど。
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posted by t.z at 03:02| Comment(0) | 大阪osaka | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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