「阿部定事件」のエピソードに本人自身がインタビュー(本編の頭より27分ほどの所と52分少し前の2ヶ所・・DVDでは予告編内の会見場でも登場)を受ける形で登場。和服姿の阿部定は当時64歳の誕生日を迎えてすぐくらいのはず(周囲の通行人は半袖なので撮影は5月以降?)だが、かなり老けてみえる・・・平成の時代の60歳代と比較するほうが間違っているのかも。主演の吉田輝雄にインタビューを受けるロケ場所は、まだ赤色にペイントされる以前の水色の浅草・吾妻橋(あづまばし) 。時々、視線を足元に落としながら返答しているのだが「阿部定の声」を聞くことが出来る貴重な作品となっています。この映画に出演当時は三ノ輪で「若竹」(おにぎり屋の看板を出す飲み屋)を経営( 1967年=昭和42年開業)しており、1年も経たない1970年3月に借金トラブルに巻き込まれて蒸発するように行方不明となってしまいます。
映画は「新東宝」の色彩が強い仕上がりで、グロシーンが苦手の方にはつらいものがあります。定役は賀川雪絵。他のエピソードは「東洋閣事件」・「小平事件」・「高橋お伝」など。史上最後の斬首処刑(明治12年・首切り浅右衛門に関連する処刑史で取り上げられる)となった「高橋お伝」に最も興味を持った作品なのです。墓は南千住の回向院にあるのだが、谷中墓地の供養碑の傍らにある処刑時の絵が強く印象に残っているために観たかった映画なのです。相当男(恋人)に未練を残し暴れながら首を打たれていきました。なんかお定よりお伝のほうに行ってしまいそうなのでここまで。
*渋谷・ハチ公広場向かいのツタヤで5年ほど前にこの映画のDVDをレンタル。
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先日コメ頂いて吾妻橋の話が出てたのでアップしてみました。お伝の処刑地は市ヶ谷台町で旧・永井荷風邸から坂を下ってきた辺り(刑務所)だったと思います。浅右衛門一族(歴代)の墓は池袋西口からず〜と行ったところの右側の寺にあり、かなり以前に写真を撮りに行ったことが・・・お伝の夫の墓は知りませんでした。「一寸法師」のDVDはレンタル店に出回っていますね。石井監督といえば観なくても作品イメージが浮かんでしまうほど道を極めた人てすね。
またよろしくお願いします。