1936年(昭和11年)
1月28日 第一師団常設軍法会議にて、歩41聯隊付き相沢三郎中佐の陸軍軍務局長・永田鉄山少将斬殺事件の初公判が開始。夜、龍土軒での第1次会合。歩1・歩3の中尉・少尉ら12〜13名参加。裁判傍聴の渋川善助からその模様を報告受ける。
2月4日 夜、龍土軒での第2次会合。参加将校の顔ぶれが2・26事件の中心メンバーらになる。
2月8日 夜、龍土軒での第3次会合。参加人数が極端に減少。憲兵報告では5名。
2月10日 夜、歩兵第3聯隊週番司令室で歩3第6中隊長の安藤大尉、歩1聯隊付の栗原中尉、近衛歩3第7中隊の中橋中尉、所沢飛行学校の河野大尉、磯部元・一等主計らが集合し、決起の準備の申し合わせ。
2月12日 相沢公判が初の非公開に(橋本近衛師団長の証人出廷)。皇道派将校に不満噴出。
<憲兵司令部作成「2・26事件の概況」に・・行詰りの状態を見るに至りましたる為、何等かの方法により之を打開せんとする焦燥的機運が醸し・・><一部青年将校は身を挺して之を排撃し以って公判の公正を期すべしとの強硬意見台頭し・・2月初旬以来不穏空気は醸成され・・>
夜、龍土軒での第4次会合(*最終会合)。この会合で不満組が生じ、栗原中尉は20分で中座する。栗原や磯部は最初から公判と実力行使を区別しており裁判の行方は問題視していなかった故の中座。栗原・磯部を中心として中橋・河野らがこのグループ。
2月16日夜 衝撃事件発生・・週番司令の常盤少尉が午後11時に中隊下士官兵150名に非常呼集をかけ、駈足で警視庁東側に。一列横隊で「斉藤」「牧野」を連呼し銃剣で直突3回実行(銃剣で突き)・・相手は10日後に襲撃した重臣の名前。
・・・決起まであと9日。
フレンチレストラン龍土軒は地理的に歩1と歩3の間に在り、軍法会議の行われた第1師団司令部(青山1丁目)からの帰り道上にあたるため頻繁に青年将校らの公判の連絡・会合に利用されたのでしょう。2・26事件で名が挙がるのは迷惑のようで、もっぱら明治期からの文人のエピソードが店の「売り」で現在も西麻布1丁目の新店舗(ビル)で営業中です。クラブ「イエロー」のあった通りっていっても不明だろうな。
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*参考資料 主に「2・26事件研究資料U」1986年
「昭和史発掘8」文春文庫 その他
「麻布十番 賢崇寺 二十二士の墓(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/21795261.html
「赤坂 近衛歩兵第3聯隊跡(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/138528702.html
「湯河原 牧野伯爵宿舎(前・内大臣)伊東屋旅館別荘(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/331635880.html
「中野 北一輝 検挙現場(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/331937769.html
「赤坂 高橋是清・蔵相私邸(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/332103469.html
「内幸町 飛行会館の大アドバルーン(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/332155976.html
「荻窪 渡邊教育総監・私邸襲撃(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/332434854.html
「九段 戒厳司令部(軍人会館)(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/341259410.html
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