2013年03月10日

六本木 歩兵第1聯隊(2・26事件)

2月26日未明の決起で、歩兵第1聯隊からは3班の部隊が雪の降り積もる営門を出発していった。第1班は栗原安秀中尉指揮の機関銃隊が首相官邸に。第2班は栗原中尉と同期(陸士41期)の丹生誠忠中尉指揮で第11中隊が陸相官邸・陸軍省・参謀本部の占拠に。そして第3班(湯河原班)は河野大尉指揮(計8名)で牧野伯の襲撃に。

1936年(昭和11年)
2月25日
夕刻 栗原中尉は演習用名義で機関銃隊兵器係助手に機関銃空包600発、みどり筒、発炎筒各40個及び拳銃を準備させる。
午後7時頃 陸相官邸占拠を担当する丹生中尉の聯隊居室に香田、村中、磯部、山本らが集合し協議。各自の部署等を決定。
午後8時頃 栗原中尉は林少尉と共に学科若しくは演習に名を借り第1中隊及び第10中隊から軽機関銃、弾薬匣(ハコ)各3個及び付属品を借り受け準備。
午後10時過ぎ、歩1の栗原中尉に面会を求め、常人(=民間人・・水上源一ら)と予備役下士官ら計7名(内予備役2名)が到着。歩1の機関銃隊内で4名に軍服を着せ、指揮の河野大尉に紹介し湯河原班を編成し兵器・弾薬を交付。
午後12時頃 栗原中尉は聯隊の兵器委員助手の石堂軍曹を機関銃隊将校室に呼び付け林少尉と共に拳銃をもって脅迫し弾薬の交付を無理に承諾させる。弾薬庫から小銃実包2万8千8百発、重機関銃実包3千3百7十余発及び拳銃実包3千2百発を持ち出して準備。
2月26日(水曜)
午前0時40分 所沢飛行学校の飛行12連隊附の河野寿大尉指揮の湯河原班が雇い入れてあった2台の自動車に分乗し歩1営門(正門)を出発。
午前2時30分頃 丹生中尉が第11中隊の下士官全員11名を集め決起趣意書を配布し、更に読み聞かせる。丹生中尉はその上で「決心ヲ云エ」と参加の有無を問い質す。全員参加を誓う。
午前2時30分頃 栗原中尉は内務班長の下士官8名を事務室に集合させて、昭和維新断行の為に首相官邸を襲撃する旨をつげて決起趣意書を読み聞かせる。
午前3時 丹生中尉が第11中隊に非常呼集をかける。
午前3時 栗原中尉は機関銃隊に非常呼集をかける。機関銃隊全員を小銃3ヶ小隊と機関銃1ヶ小隊に編成する。
又、丹生中尉の第11中隊に機関銃2ヶ分隊を応援に配属させる。
午前4時 丹生中尉の第11中隊が舎前に集合整列。丹生中尉は決心を下達。
午前4時30分 栗原中尉指揮(参加将校:林八郎少尉は当日の週番士官・池田俊彦少尉=無期禁錮)で機関銃隊が歩兵第1聯隊の営出発、首相官邸を目指す。栗原中尉指揮の機関銃隊に続いて丹生中尉の第11中隊も陸軍大臣官邸(陸軍省・参謀本部)を目指し営門を出る。
 *歩兵第1聯隊の週番司令・山口一太郎大尉は部隊出動を黙認している。山口大尉は東京軍法会議で反乱者を利した間接関与者として有罪判決(昭和11年7月29日)を受け無期禁錮刑。
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(左写真)中央やや右付近が歩兵第1聯隊の正門(=旧防衛庁の正門)(右写真)当時は塀が有りT字路 手前中央に市電「聯隊前」停留所があった 左後脇に龍土軒 撮影は2012年2月29日大雪の日
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歩兵第1聯隊の隊内に建てられた石碑(筆は陸軍大将・岡村寧次)東側庭園にある
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歩1の碑誌・・聯隊の概略が刻まれている 地図は昭和8年〜16年当時です
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まだ東京ミッドタウンの計画も無かった防衛庁時代(撮影は2003年6月14日)・・銃を携えた正門警備にビビッて正面写真無し 右前方の樹木が多い所が歩1跡
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現在の東京ミッドタウンの北側の芝生広場(高台で歩1時代は営舎が東南の向きに立ち並んでいた)・・東側の庭園(池)は低地で以前はよくある普通の出入り自由な檜町公園だった 北側の端に古いコンクリート壁が残っていたがそれも撤去されて遺構は皆無(篠山紀信事務所の向い側から赤坂方向)

2・26事件リンク
「麻布十番 賢崇寺 二十二士の墓(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/21795261.html
「赤坂 近衛歩兵第3聯隊跡(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/138528702.html
「湯河原 牧野伯爵宿舎(前・内大臣)伊東屋旅館別荘(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/331635880.html
「中野 北一輝 検挙現場(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/331937769.html
「六本木 聯隊前 龍土軒(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/331977707.html
「赤坂 高橋是清・蔵相私邸(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/332103469.html
「内幸町 飛行会館の大アドバルーン(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/332155976.html
「荻窪 渡邊教育総監私邸(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/332434854.html
「九段 戒厳司令部(軍人会館)(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/341259410.html
「三番町  鈴木貫太郎侍従長官邸(2・26事件)」 http://zassha.seesaa.net/article/341750813.html
「駒場 歩1栗原中尉私宅と山下奉文少将私宅(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/342058218.html
「四谷 斎藤實内大臣邸(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/343167821.html
「青山 第1師団司令部・師団軍法会議と相沢中佐(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/343499701.html
「渋谷 東京陸軍軍法会議臨時法廷・陸軍刑務所(衛戍監獄)(2・26事件)」http://zassha.seesaa.net/article/343700967.html

posted by y.s at 23:14| Comment(0) | 六本木 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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