2013年12月26日

鎌倉 西口広場 ウォーナー記念碑

kamakura warner01.jpg   kamakura warner02.jpg
JR鎌倉駅西改札口を出て右方向すぐにある時計塔が目印の小さな三角形の公園 右側の緑は駅前ロータリー (右写真)旧駅舎改修にともなって廃棄されずに広場に保存された時計塔
   kamakura warner03.jpg  kamakura warner04.jpg
時計塔の傍らに建つランドン・ウォーナー(LANGDON WARNER)の御影石の記念碑 ブロンズのレリーフの下側に「文化は戦争に優先する」・・鎌倉の歴史的建造物を戦禍から救ったのはウォーナー博士の主張の成果であるなどと賛辞の文字が連なっている 1987年4月10日に除幕式が行われた

鎌倉は実際、ほとんど本格的空襲を受けることなく無条件降伏の日を迎えている。昭和20年5月23日夜、十二所(じゅうにそ)にB29による焼夷弾攻撃を受けた記録が残るぐらいで、あとは海岸線で空母搭載の戦闘機による市民に対する機銃掃射がおこなわれた程度の被害で戦争は終結している。日本の古都(京都・奈良・鎌倉)が米軍の攻撃目標から除外されたのは、戦前日本に二度にわたり来日し日本美術を学び研究した東洋美術史家ランドン・ウォーナー博士による米軍への提言(空爆目標回避のウォーナーリスト)であったとする新聞記事(終戦直後11月の朝日新聞掲載の談話)が掲載されてからは、日本の文化遺産を守った恩人として認知され定着してきた。鎌倉の記念碑建立に先立って(鎌倉は6番目)、1958年6月に最初となるウォーナー博士の供養塔・顕彰碑が法隆寺に建てられている。ウォーナー博士が、1955年(昭和30年)6月9日に73才で死去すると、奈良県議会は弔文(ちょうぶん)決議を採択し、政府は叙勲(勲二等瑞宝章)を決めている。鎌倉では1ヶ月後に、北鎌倉の円覚寺で追悼法要が営まれている。
1994年7月に、歴史研究家・吉田守男(京都大学卒・元大阪樟蔭女大教授)の「ウォーナー伝説批判」(「日本史研究」誌)が発表されると「定説」に疑問符が打たれ、さらに文化財保護に複数の貢献者の存在も浮上するに及び、現在まで明確な定説が存在しない状態となっている。ウォーナーリストに記載され保護されるべき文化財は空襲(空爆)により数多く被災している(名古屋城・皇居・増上寺・浅草寺・大坂城・岡山城等々)。また、奈良・鎌倉が大規模空襲から免れたのは、単に小規模都市という理由から爆撃リストの順位が後ろに回され、攻撃を受ける前に戦争が終結したためと結論されている。
kamakura warner06.JPG  kamakura warner05.jpg
「京都は文化財保護のため空襲されなかった」という幻想は現在では打ち消され 原爆投下候補地だったことが知れ渡っている 大規模な空襲が計画されなかったのは「原爆投下で一挙に壊滅」するため それでも京都中心部は散発的に4地点で空襲を受け犠牲者を出している 聚楽第跡の観光客も多く訪れる老舗「山中油店」のショーウィンドーにはその時の大きな爆弾の破片が展示されている (左写真)爆心地になるはずであった梅小路機関車庫(現在は梅小路運転区)の転車台(機関車を回転する装置) 目視標的として上空から見るとまさに「的(まと)」そのもの (右写真)撮影してる場所が危なくみえる(踏み切りからです)JR鎌倉駅ホーム ホームの向うの樹木がある所が西口広場
・・・ウォーナー記念碑のある広場と関連したエピソードがあるのですが、長くなるので省略、でもちょっとだけ。あの広場には以前、京都の老舗「平野屋」の支店である割烹旅館が存在していて、1923年(大正12年)夏、岡本一平・かの子・太郎の一家(画家・岡本太郎の子供時代)が避暑のため長期滞在中に経験した寒気のするような話が、この旅館を贔屓にしていた芥川龍之介の狂気にまつわる出来事として、彼女の文章「鶴は病みき」に残されている。芥川は、小人(こびと)がうじゃうじゃいると炎天下の庭の蟻を殺しながらも、庭に藤の花や山吹が咲いているのを見て「これはただ事ではない、天地異変が起こる」と・・・関東大震災を予言して東京に帰ったのです。9月1日、鎌倉駅のホームで東京行の12時発の横須賀線の列車を待つ岡本かの子は、ホームごと突き上げられる巨大地震を(右写真)の場所で経験したのです。
 参考 「かまくら今昔抄60話 第二集」冬花社2009年刊 その他 
posted by y.s at 03:11| Comment(0) | 関東各地 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。