水上勉の随筆「京都花暦」に収められた<寺町通り>の章に、この古書肆について述べている箇所がある。
<<いまの「ひるげえと」ギャラリィは、カレーライスが評判のグリルだった。同じような構えのコーヒー店「スマート」は今でも営業しているが、その二、三軒隣りが「基中堂」(きちゅうどう)である。基中堂は、仏教書専門の古書肆で、名物番頭の森先さんがいた。コーヒー店と似たカウンターの内側に横積みされた和綴書(わとじしょ)が棚に入っていて、一冊一冊に和紙こよりの短冊がはさんであったのもなつかしいが、この番頭さんを、西田幾太郎も鈴木大拙も、玄関から迎えたそうである。>>P123より抜粋。
*西田幾太郎=哲学者・京都大学教授1870年〜1945年
*鈴木大拙=禅文化を海外に伝播した仏教哲学者1870年〜1966年
*ギャラリィ「ひるげえと」は、別項を作る予定です(水上勉の筆になる板看板が吊るされている)
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参考
「京都花暦」水上勉 1998年刊
「京都の近代化遺産」2007年刊
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