2014年02月06日

京都 漬物「八百伊」と「村上重本店」 小津安二郎の手帖から 

映画監督・小津安二郎が残した2冊の備忘録風小型手帖(15cx11c)に書き込まれている京都の漬物店2軒(他に岡崎の「大安」の名もあるが今回は除外)を巡った写真です。863頁の大書「全日記 小津安二郎」(フィルムアート社1993年刊5150円)を通読した結果、日記には上記3店の名を見出せず(見落としてる可能性もあり)、日付けのないメモ書きからは実際に何時の訪問だったのか、誰と連れ立っていたのかなどは想像することもできない状態です。日記には(昭和28年頃から7年間ほどの間の)京都滞在時には度々訪れていた先斗町のグリル「開陽亭」の名が登場するので、滞在期間に付近にいたかどうかまでは把握可能です。
*「小津安二郎 東京グルメ案内」朝日文庫の巻末付録「グルメ手帖」から
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 西木屋町四条下ル 村上重本店
 東山八百伊      千枚漬
  東大路安井前 
  E 四六八二
     千枚漬
     すぐき
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 *数ページ先に再び「八百伊」が書き込まれている 

 京都東山安井電停前
 東山八百伊
    祗園6-4682
    振 京 一〇一一三

 千枚漬 すぐき 菜の花漬
 志バ漬 からし漬西瓜奈良
            漬
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*通常の祇園の表記とは異なる「祗」が使われている
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1832年(天保3年)創業の「村上重本店」
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文字通り「看板」の千枚漬 小津も買ってます 丹波地方産(亀岡)の聖護院かぶらを約1週間 北海道産昆布と塩で漬け込んでいる 11月から2月頃までの販売期間なので小津が訪れたのもこの時期になる
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大きな昆布に包み込まれるほどです
村上重本店 営業時間 9時〜19時(土日祝は19時30分まで) 無休(正月三が日休み)

以下は東山八百伊
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四条通が東大路通に交わるところ(八坂神社石段下)を右に 東大路通の緩い坂道をしばらく右側を進むと千枚漬・懐石沢庵の暖簾が目に入ります 創業は昭和9年 現在の店主は3代目 昭和54年に新店舗に建替えてます よって小津が訪れたのは旧店舗になります
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聖護院かぶらを薄切りし利尻の天然昆布と塩で漬け込んだ看板商品 小津が買ったのは千枚漬・すぐき・菜の花漬・志バ漬・からし漬西瓜奈良
東山 八百伊
営業時間 午前10時〜午後5時 定休日 火曜
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posted by t.z at 23:52| Comment(0) | 京都kyoto | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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