2014年03月24日

大阪 菓子司 鶴屋八幡本店 小津安二郎の「手帖」から

小津安二郎の「手帖」に、最も行数が割かれてメモされている大阪の和菓子の老舗「鶴屋八幡」。その前身である「虎屋伊織」の創業は、江戸時代の1702年(元禄15年)まで遡る。この年の12月に赤穂浪士が吉良邸に乱入しているから、憶える必要もないのだが記憶に残ってしまう。小津の「手帖」に記された店舗は、ほとんどが店名・住所・代表とする商品名1個のメモであるため、「鶴屋八幡」の菓子名の列挙は特別な印象を受けてしまう。
「日記」には「鶴屋八幡」の名は記されていないはず。「小早川家」のロケハン・撮影で、関西を動きまわった期間(1961年)に訪れたものと思われる。
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 鶴屋八幡<大阪>今橋五
  西王母ー卵子饀のもの他に
  鶏卵素麺、四季の友
  小倉町ーかのこ
  秋の山ーむし羊羹
  夜の梅      玉子と白水
  琥珀糖ー寒天羊羹 豆の羊羹
  真砂糖ー寒天羊羹 その中に
      道明寺が入っている
 (1店舗 略)
 鶴屋八幡<大阪>つゞき
  黍羊羹(*きびようかん)  
  最中
  千代の友
  小豆煎餅
  懐中汁粉
  つきせぬー潰し饀(*餡)のきんつバ類
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以上が「鶴屋八幡」のメモ全て。
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「虎屋伊織」はその後、幕末まで代を重ねたが9代目で跡継ぎを失ってしまう。160年続いた老舗もここで暖簾を終うことになる。が、そこで・・・ (以降の店史は鶴屋八幡のHPを参照)
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喫茶室が併設されているので 販売コーナーに展示されている季節の生菓子などもその場で頂けます(分煙) (右写真)白玉・小豆餡が内に閉じられているかき氷「宇治水」
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鶴屋八幡本店(創業 文久3年)
大阪市中央区今橋4-4-9
喫茶室 営業時間10時30分〜18時 定休日 土・日・祝日
販売は8時30分より
 
*参考
鶴屋八幡本店HP http://www.turuyahatiman.co.jp/
「小津安二郎 東京グルメ案内」朝日文庫(巻末付録「グルメ手帖」)
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posted by t.z at 03:18| Comment(0) | 大阪osaka | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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