「祇園・建仁寺」の章から。
<<私は花見小路から建仁寺に入っていくのが好きな道だ。花街と禅寺が隣どうしに並んでいるところも京都らしくていい。いつ行ってもこのお寺は森閑として、なぜか観光ルートの外にある。>>
建仁寺法堂。2012年10月、ちょうど今頃の撮影。
<<私は建仁寺の塀に沿ってさまざまな季節ひとりよく歩いた。京都の市中の、最も繁華な四条通りや祇園がついそこにあるとも思えない静寂が、いつの季節もその塀の外にはただよっていた。(略) 男を待つ間、私は何時間建仁寺のがらんとした境内ですごしただろうか。祇園の女と宮川町の女の区別もつかなかったその頃の私には、日本髪の若い女が、泣きながら、たそがれの寺の庭をことことと駆け去るのをぼんやり見送ったりしていた。>>
これからもう一冊、あのSM小説を得意とする団鬼六の時代小説「最後の浅右衛門」に目を通す。浅右衛門とは、代々、罪人の首斬り役を任された(最初は押し付けられた)「山田浅右衛門」のこと。世子はその名を引き継ぎ明治初期まで8代に渡ってその任を全うした。海音寺潮五郎のリアリティに満ちた作品を読んできているので、途中で放り投げるかも。
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