11月初旬の恒例の大学祭(2017年度)を久方ぶりに訪れてみようと思っているが(なんと、あのレイヤーだったアヤネ氏がミスコンに参戦中で、最終エントリー5人に残っている)、もう一歩動機付けが弱く逡巡している。

日芸の最寄り駅は西武池袋線池袋駅(始発着駅)から三つ目。武蔵野音大・武蔵大のキャンパスと比べて、はるかに駅に至近で恵まれている。

では、安西氏の思い出話、日芸の女がむかつく話を。
イラストレーター安西水丸のエッセイ「東京美女散歩」の一章「江古田、練馬、石神井公園あたり」より抜粋。
<<(略) 日本大学の芸術学部美術学科を受験したのは昭和三十六(一九六一)年の二月だった。その時ぼくは西武池袋線の江古田駅にはじめて降り立った。試験に合格するかどうかわからないのに、駅から大学まで歩く道すがらこんなところに毎日通うのは嫌だなぁとおもった。何とも気分の滅入る街だった。しかし運命のいたずらで、ぼくはこの街に毎日通うようになったのだ。結局日大の芸術学部美術学科で四年間学び卒業した。専攻したのはグラフィックデザインだった。(略)
日大の芸術学部は西武池袋線の江古田駅の北口へ出て歩いて五、六分で着く。当時日大芸術学部は「江古田」という別称で知られていたが、住所は練馬区の旭が丘二丁目だ。江古田駅を利用する大学は、武蔵大学(南口)、日大芸術学部(北口)、武蔵野音楽大学(北口)だ。ふしぎなことに、日大芸術学部にはほとんど美女はおらず、その点武蔵野音楽大学は粒が揃っていた。この二校は江古田駅の北口を出て左右にそれぞれの校門へと向うわけだが、池袋から電車に乗って、車内の大学生らしき女性を見た時、なかなか素敵だなあとおもえるのはたいてい左へ、つまり武蔵野音楽大学へ、これはひどいといったのは、まぎれもなく右、日大芸術学部へ歩を進めていた。
その後時が流れ、何とぼくは日大芸術学部美術学科の講師を依頼された。専門はイラストレーションだったが十二年間勤務し、馬鹿馬鹿しくなってやめた。それでも当時ぼくのゼミなどを取った学生の数人はイラストレーターとしてそこそこ活躍している。(略)
そんなことをおもいつつ、今回の「美女散歩」は、西武池袋線の沿線、江古田駅から石神井公園あたりまで歩いてみることにした。まずは江古田駅北口へ出て、日大の芸術学部まで歩いてみた。通りはそのままだが、建物等はすっかり変っている。入学した頃のことを思い出してみた。応援団長は演劇学科におり、映画監督になつた山本晋也さんだった。小柄な人だったが妙な迫力を身につけていた。写真学科の三年生に、今や世界的写真家である篠山紀信さんがいた。ぼくと同年に入学した串田和美さんは今や役者としても演出家としても大活躍している。理由は不明だが、とにかくマスコミで活躍している日芸出身者は多い(少ないのは美女だけである)。まだ新しい日芸キャンパスを眺め、また江古田駅北口へもどった。>>
以下は2017年度日芸ミスコン。

この画像は、ツイッター「ミス日芸コンテスト」@NUA_missconよりRT(お借りした)。元コスプレイヤー
綾音(あったん)氏はセンターにいる。レイヤー(高校時代)として高校1年当時から人気があり、ツイッターのフォロワーも早くから1万人をはるかに超えていた。日芸に入学してからは、局アナが最終目標。

授業が終わってから、終了間際のコスプレ会場に駆けつけ、制服のままポーズ。一緒に来たクラスメート(ただの付き添い)の子、足許に転がっていたスクバのことが思い出される。ネクタイに日大の「N」が織り込まれている。高校は知られていないと思われるが、両国にある附属高校。

高校3年当時のコスプレ。アマチュアカメラマン50人ほどに取り囲まれる人気レイヤー。高校時代から物怖じせず堂々としており、その点では訓練できている。ミスコンのトップは確実だろう(ほぼ応援)。
結果は、「ミス日芸コンテスト」https://twitter.com/NUA_missconで発表される。
で、結果は、ミス日芸としては「芸度」が不足しており、1位は、No.5斉藤瑞季が獲得。
「小説現代」2007年2月号〜2014年4月号隔月連載初出
エッセイ「東京美女散歩」安西水丸2015年3月講談社刊より抜粋
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