2013年10月06日

武蔵野市 ゾルゲ(ゾルゲ事件)の恋人・石井花子の終焉の地

1941年(昭和16年)10月18日の国際諜報団の一斉検挙に際して、首謀者ゾルゲ(麻布区永坂町30番・47歳)らの逮捕は完全に秘匿されました。昭和17年5月16日に東京刑事地裁への予審請求を待って、夕方5時に初めて事件の全容が司法省から公表されたのです(新聞報道は17日朝刊=下の写真参照)。判決は昭和18年9月29日。ゾルゲの処刑は昭和19年11月7日(ロシア革命記念日に合わせて)に巣鴨拘置所で執行。
この事件は何度か映画化されていますが、2003年6月公開の映画「スパイ・ゾルゲ」(監督・篠田正浩)がなかでも評価できる作品。女優・葉月里緒菜が演じていた女性がゾルゲの恋人であった三宅華子(役名)。実在の女性であり、本名は「石井花子」です。銀座5丁目の並木通りで昼間からレストランとしても営業していたドイツ酒場「ラインゴールド」でウエイトレス(通称アグネス名で)として働いていました。1935年10月4日夜、当時40歳だったゾルゲと知り合い、またたくまに恋人関係になっています。戦後においても、その付近ではドイツ料理「ケテル」が(秀吉ビル取壊しまで)営業しており、ドイツ料理店が集中している地点といっていいかも。彼女は生涯独身を貫き続け、ゾルゲの復権(旧ソ連から2重スパイの嫌疑)などに献身した人生を送っていましたが、2000年(平成12年)7月1日に亡くなられました。一部新聞では大きく扱われ、ゾルゲ事件の幕が完全に閉ざされたのだと感じた日になったのです。その著書「人間ゾルゲ」(1967年4月刊)では、ゾルゲとの知られざる関わりが詳述されており、映画のラストシーンにも描かれていた処刑後の行方不明状態の遺体を雑司ヶ谷共同墓地で捜し出す過程には特に興味を抱きました。また同著には、1936年8月19日付けゾルゲ撮影(カメラはライカ?)の石井花子のポートレートが載っています。葉月里緒菜とはまったく似ていないやや丸顔です。
*参照 「人間ゾルゲ」石井花子 (第1章「めぐりあい 酒場ラインゴールド」にゾルゲとの店での出会いが詳細に記述されてます)
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撮影当時は「石井」の表札が掲げられており 住所は武蔵野市とまでで止めておきます 右写真が終焉の地です 時間を要したが住宅地図からなんとか探しました
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現在は 石井花子さん自らが雑司ヶ谷共同墓地から改葬したゾルゲの墓で永遠に一緒の時間を送っています 撮影はゾルゲの命日に近い2010年11月 多摩霊園です
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ゾルゲ事件を伝える東京日日新聞 昭和17年5月17日付け朝刊 検挙者全員の略歴・本籍・住所(旧表示)が掲載されてます  (右写真)石井花子著「人間ゾルゲ」1967年4月刊
posted by y.s at 18:06| Comment(4) | 吉祥寺・三鷹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする